触れれば直ぐに霞んでしまい見えなくなってしまいそうな想い


あまりに透明で、触れれば直ぐに霞んでしまい見えなくなってしまいそうな想い

それは惹かれてしまった者の、内なる歓喜の輝きと絶望の淵に落ち込んだ嘆き。

自分には欠けてしまっている何かを見つけてしまい、無視できず、惹かれて、気付かれないようにそっと触れてしまう。

そっと触れたつもりではいたのだけど、やがてその微妙な感触に気付かれ、静かにひっそりと緩やかな結び目が出来てしまう。

でも、欠けてしまっていたものを何とか取り戻したい、自分の手元に手繰り寄せたい。
その結び目をしっかりと縛り付け解けないようにしたい。

そんな渇望であるが故、実際にはそれこそが深い悲劇と絶望のはじまりでしかない。




中学の国語で「汚れっちまった悲しみに」中原中也を矢鱈好む国語教師が居ました。


汚れっちまった悲しみに



以下のエントリー、その現代版と言うか、今更ながらこういう氷で出来た透明な細工、今直ぐにでも壊れそうな想いを紡ぎだしていたんだろうな〜と思えたりします。



真性引き篭もり/entry - 足跡依存症から抜け出した僕は、一生mixiなんてしないと堅く心に誓ったのでした。


冒頭部分引用させて頂きました。

あの日の僕は、幸せに包まれていた。
ブログを書き始めて良かったと初めて思った。








その頃、僕は疲れていた。生まれてこの方まともに文章なんて書いたことの無かった夜から晩までゲームをやり続けていただけの人間が、どこをどう間違えたのかブロガーになってしまい、毎日ブログを書いていた。その慣れない生活に、僕は疲れきっていた。

起きて、書いて、寝る。その単調な生活に、僕はわけのわからないままで、頭のてっぺんまでどっぷりと、完全に漬かってしまっていた。

そんなある日のことだった。
僕が彼女の足跡を見つけたのは。








彼女のブログを始めて読んだ夜の事は、今でも鮮明に覚えている。なんてことのない普通のブログだった。ありふれたダイアリーだった。けれどもそれは、どうしてか、強く僕の心を捉えて放さなかった。彼女はとても弱かったけれど、とても強い文章を書いていた。完全にやられてしまった。